はるか
ふゅか
うん!平方完成で計算すれば、頂点がすぐに見つかるのよね!
1. 二次関数の頂点
二次関数y=ax2+bx+cの頂点は次のように表すことができる。
(−2ab,−4ab2+c)
このとき、x=−2abを軸と呼ぶ。(頂点のx座標)
二次関数の頂点を求めるとき、平方完成を利用します。
1.1. 平方完成
平方完成を利用して、実際に頂点を求めてみます。まず a で括ります。
y=a(x2+abx)+c
平方完成するために、4a2b2 の二乗を加えることで、平方の形を作ります。
y=a(x2+abx+4a2b2−4a2b2) +c=a((x+2ab)2–4a2b2)+c
この時、4a2b2 を引くことで、元の式に影響がないようにしています。次に、定数部分をまとめます。
y=a(x+2ab)2–4ab2+c
1.2. 頂点の座標
はるか
aの符号によって挙動が変わる。
a>0ならグラフは上に凸になる。
ふゅか
そう!頂点は最小値になるのね。反対に、
a<0ならグラフは下に凸になって、頂点が最大値になるの。
1.2.1. a>0の場合
平方完成後の式を見ると、a(x+2ab)2 の形になっています。a>0より、a(x+2ab)2 は0以上であるから、次の不等式が成り立つ。
a(x+2ab)2–4ab2+c≧0–4ab2+c
不等式より、二次関数のxがどのような値をとろうとも、−4ab2+c以上の値になることがわかる。また、不等式の等号が成立するのは x=−2ab のときです。したがって、この x の値が頂点の x 座標になります。また、対応する y の値は
y=−4ab2+c
ですので、頂点の座標は
(−2ab,−4ab2+c)
となります。

1.2.2. a<0の場合
a<0より、a(x+2ab)2 は0以下であるから、次の不等式が成り立つ。
a(x+2ab)2–4ab2+c≦0–4ab2+c
不等式より、二次関数のxがどのような値をとろうとも、−4ab2+c以下の値になることがわかる。
また、不等式の等号が成立するのは x=−2ab のときです。したがって、この x の値が頂点の x 座標になります。また、対応する y の値は
y=−4ab2+c
ですので、頂点の座標は
(−2ab,−4ab2+c)
となります。

2. 例題
2.1. 問題 1: 軸が定義域内にある場合
二次関数
f(x)=x2–4x+1 の定義域
0≦x≦5 における最大値と最小値を求めなさい。
平方完成を行います。 f(x)=x2–4x+1=(x–2)2–3 これにより、頂点は (2,−3) であることが分かります。
定義域0≦x≦5 における端点での関数値を求めます。
f(0)=02–4(0)+1=1
f(5)=52–4(5)+1=6
頂点 (2,−3) が定義域内にあるため、この点でも関数値を確認します。
f(2)=(2–2)2–3=−3
よって、定義域0≦x≦5における最大値は 6、最小値は -3 です。

2.2. 問題 2: 軸が定義域より右にある場合
二次関数
f(x)=−2x2+3x+1 の定義域
−1≦x≦0 における最大値と最小値を求めなさい。
平方完成を行います。
f(x)=−2x2+3x+1=−2(x–43)2+825
これにより、軸は x=43 にあります。軸 x=43 は定義域 −1≦x≦0の外側にありますので、定義域の端点での関数値を求めます。
f(−1)=−2(−1)2+3(−1)+1=−4
f(0)=−2(0)2+3(0)+1=1
よって、定義域 −1≦x≦0 における最大値は 1、最小値は -4 です。

2.3. 問題 3: 軸が定義域より左にある場合
二次関数
f(x)=3x2–6x+2 の定義域
2≦x≦4における最大値と最小値を求めなさい。
平方完成を行います。 f(x)=3(x–1)2–1 これにより、軸は x=1 にあります。
軸 x=1 は定義域 2≦x≦4 の外側にあるため、定義域の端点での関数値を求めます。
f(2)=3(2)2–6(2)+2=2
f(4)=3(4)2–6(4)+2=26
よって、定義域 2≦x≦4 における最大値は 26、最小値は -2 です。
