TCP/IPモデルとは?ゆるーくわかりやすく解説



1. TCP/IPモデルとは?
TCP/IPモデルは、インターネットやネットワーク上でのデータのやり取りを標準化するための通信プロトコルの体系です。インターネットが普及するきっかけとなったこのモデルは、異なる機器やネットワーク間でスムーズにデータを送受信できるように設計されています。
TCP/IPは、Transmission Control Protocol (TCP)とInternet Protocol (IP)の頭文字を取ったもので、特にインターネット通信で中心的な役割を果たす2つのプロトコルが基盤となっています。
2. TCP/IPモデルの構造
TCP/IPモデルは、4つの階層(レイヤー)で構成され、それぞれが特定の役割を持っています。各階層は独立して機能し、上位層と下位層で相互にデータを受け渡します。これにより、ネットワーク全体が効率的に通信を行えるようになっています。


2.1. アプリケーション層 (Application Layer)
主なプロトコル: HTTP、FTP、SMTP、DNSなど。
アプリケーション層は、ユーザーが実際に利用するアプリケーションが動作する層です。例えば、インターネットを使ってウェブサイトにアクセスする際、ブラウザはこのアプリケーション層を介してデータをやり取りします。具体的には、ウェブページの表示に使われるHTTP(Hypertext Transfer Protocol)や、メール送信のSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)などが含まれます。
2.2. トランスポート層 (Transport Layer)
主なプロトコル: TCP、UDPなど。
トランスポート層は、データが正確に届くようにする役割を持ちます。この層の主なプロトコルには、TCP (Transmission Control Protocol)とUDP (User Datagram Protocol)があります。TCPはデータの送信が完了したことを確認しながらデータを送るため信頼性が高いですが、やや通信が遅くなります。一方、UDPはエラーチェックを省略して高速な通信が可能ですが、信頼性はやや低くなります。
2.3. インターネット層 (Internet Layer)
主なプロトコル: IP、ICMP、ARPなど。
インターネット層では、データがどこに送られるべきかを判断し、適切な経路でデータを目的地に送り届けます。この層の主要プロトコルはIP (Internet Protocol)です。また、エラーメッセージを送るためのICMP(Internet Control Message Protocol)や、物理アドレスとIPアドレスの対応を管理するARP(Address Resolution Protocol)もこの層に含まれます。
2.4. ネットワークインターフェース層 (Network Interface Layer)
主なプロトコル: イーサネット、Wi-Fiなど。
ネットワークインターフェース層では、データがノード間のプロトコルが定義されます。例えば、家庭のWi-Fiや職場のイーサネットケーブルでインターネットに接続する際、この層が機能しています。
3. TCP/IPモデルとOSI参照モデルとの違い
TCP/IPモデルの4階層に対し、OSI参照モデルは7階層で構成されています。OSIモデルの方が細分化されています。一方で、TCP/IPモデルは実用的な設計を重視しており、実際のインターネット通信に広く採用されています。


3.1. OSI参照モデル
OSI参照モデル(OSI Reference Model)は、異なるネットワーク機器やシステムが通信する際の基準となる、通信プロトコルの階層構造を示したモデルです。OSI参照モデルは、通信を7つのレイヤー(階層)に分けており、TCP/IPと同様にそれぞれが特定の機能を担っています。
3.2. OSI参照モデルとTCP/IPモデルの対応関係
4. まとめ
TCP/IPモデルは、データを効率的にやり取りするための4つの階層で構成された通信プロトコルの体系です。各階層が異なる役割を持ち、ネットワーク全体のスムーズなデータ転送を実現しています。