更新:2024/09/19

極座標と直交座標の変換の具体例・例題について

はるか
はるか
極座標の話だけど、まずは基本から。極座標は、平面上の点を半径と角度で表す方法。
ふゅか
ふゅか
だね。直交座標と違って、直接点の位置を表すんじゃなくて、原点からの距離と角度で考えるんだ!

1. 極座標とは

極座標は、平面上の任意の点を、原点からの距離(半径)と、原点からの角度で表す座標系です。

1.1. 極座標上の点

極座標では、ある点 PP の位置を、半径 rr と角度 θ\theta で表し、これを P(r,θ)P(r, \theta) と表記します。
  • 距離 rr: 原点から点 PP までの距離。 r0r \geq 0
  • 角度 θ\theta: 始線(通常は正の xx 軸)から、原点を中心として点 PP まで測った反時計回りの角度。単位はラジアンや度が使われます。

例えば、点 PP が原点から距離 r=2r = 2、角度 θ=π4\theta = \frac{\pi}{4} の位置にある場合、その極座標は P(2,π4)P(2, \frac{\pi}{4}) です。

2. 座標変換

はるか
はるか
極座標は直交座標に変換することができる。
ふゅか
ふゅか
直交座標から極座標の計算もできるわ!

2.1. 極座標から直交座標への変換

極座標 (r,θ)(r, \theta) からデカルト座標 (x,y)(x, y) への変換は次のように表すことができます。

x=rcosθ x = r \cos \theta

y=rsinθ y = r \sin \theta

2.2. 極座標から直交座標への変換

デカルト座標 (x,y)(x, y) から極座標 (r,θ)(r, \theta) への変換は次のように表すことができます。

r=x2+y2 r = \sqrt{x^2 + y^2}

cosθ=xr\cos\theta = \frac{x}{r}

sinθ=xr\sin\theta = \frac{x}{r}

cosθ\cos\thetasinθ\sin\thetaからθ\thetaを求めます。また、θ\thetaは逆三角関数を利用すると、

θ=tan1(yx) \theta = \tan^{-1} \left(\frac{y}{x}\right)

3. 例題

3.1. 例題1: 極座標から直交座標への変換

P P の極座標は (r,θ)=(5,π4) (r, \theta) = (5, \frac{\pi}{4}) です。この点の直交座標を求めてください。

与えられた極座標は r=5 r = 5 θ=π4 \theta = \frac{\pi}{4} より、

x x 座標を求めます。

x=5cos(π4)=5×22=522 x = 5 \cos\left(\frac{\pi}{4}\right) = 5 \times \frac{\sqrt{2}}{2} = \frac{5\sqrt{2}}{2}

y y 座標を求めます。

y=5sin(π4)=5×22=522 y = 5 \sin\left(\frac{\pi}{4}\right) = 5 \times \frac{\sqrt{2}}{2} = \frac{5\sqrt{2}}{2}

したがって、点 P P の直交座標は (522,522) \left( \frac{5\sqrt{2}}{2}, \frac{5\sqrt{2}}{2} \right) です。

3.2. 例題2: 直交座標から極座標への変換

Q Q の直交座標は (x,y)=(3,33) (x, y) = (3, 3\sqrt{3}) です。この点の極座標を求めてください。

与えられた直交座標は x=3 x = 3 y=33 y = 3\sqrt{3} です。

r r を求めます。

r=32+(33)2=9+27=36=6 r = \sqrt{3^2 + (3\sqrt{3})^2} = \sqrt{9 + 27} = \sqrt{36} = 6

θ \theta を求めます。

sinθ=xr=36=12\sin \theta = \frac{x}{r} = \frac{3}{6}=\frac{1}{2}

cosθ=yr=336=32\cos \theta = \frac{y}{r} = \frac{3\sqrt{3}}{6}=\frac{\sqrt{3}}{2}

θ=π3\theta=\frac{\pi}{3}である。したがって、点 Q Q の極座標は (r,θ)=(6,π3) (r, \theta) = (6, \frac{\pi}{3}) です。

また、逆三角関数を利用して、次のように求めることができる。

θ=tan1(333)=tan1(3) \theta = \tan^{-1}\left(\frac{3\sqrt{3}}{3}\right) = \tan^{-1}(\sqrt{3})

tan1(3)=π3 \tan^{-1}(\sqrt{3}) = \frac{\pi}{3} なので、θ=π3 \theta = \frac{\pi}{3}

 

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