1. スカラー3重積
三つのベクトル
a,
b,
cを用いてスカラー三重積は次のように定義されます。
a⋅(b×c)
ここで、b×c はベクトル b と c の外積であり、その結果得られるベクトルは b と c 両方に垂直なベクトルです。次に、このベクトルと a の内積をとりす。
はるか
1.1. スカラー3重積の成分の計算
スカラー三重積 a⋅(b×c) を成分を用いて計算する方法を説明します。まず、ベクトル a, b, c の成分を以下のように設定します。
a=(a1,a2,a3),b=(b1,b2,b3),c=(c1,c2,c3)
1.1.1. ステップ 1: 外積 b×c の計算
ベクトルの外積は、次のように計算されます。
b×c=(b2c3–b3c2,b3c1–b1c3,b1c2–b2c1)
1.1.2. ステップ 2: 内積 a⋅(b×c) の計算
外積の結果を用いて内積を計算します。
a⋅(b×c)=a1(b2c3–b3c2)+a2(b3c1–b1c3)+a3(b1c2–b2c1)
1.2. スカラー3重積の計算問題
問題
ベクトル a, b, そして c が以下のように与えられている場合、スカラー三重積 a⋅(b×c) を計算せよ。
a=(2,3,−1),b=(1,0,4),c=(−1,5,2)
まず、bと cの外積を計算すると、
b×c
=2×0–4×5−1×4–1×21×5−0×(−1)
=−20−65
次に内積を計算する。
a⋅(b×c)=23−1⋅−20−65
=−63
2. 行列式を用いる方法
成分の計算結果からスカラー三重積は次のように行列の行列式としても表現できます。
a⋅(b×c)=deta1b1c1a2b2c2a3b3c3
この行列式は、ベクトル a, b, c の各成分からなる 3×3 行列の行列式です。
3. 平行六面体
平行六面体の体積は次のように表すことができる。
V=∣a⋅(b×c)∣

ふゅか
はるか
ふゅか
図の
θの範囲によって負の値になってしまうので絶対値をとればOK!
3.1. 平行六面体になる証明
図のように0<θ≤2πとする。底面の面積をAとすると、
A=∣b×c∣
とあらわすことができる。そして、高さをhとすると、
h=∣a∣cosθ
とあらわすことができる。
したがって、体積Vは
V=Ah
=∣b×c∣∣a∣cosθ
=a⋅(b×c)
となる。
2π<θ≤πのとき、体積は負になるので、
V=∣a⋅(b×c)∣
となる。