問題はご自身で探してください。
1. 解説
3を法としたとき、ある整数kが3で割り切れないときに、合同式は
k2≡(±1)2≡1(mod3)
したがって、k6=(k2)3≡13≡1(mod3) および k4=(k2)2≡12≡1(mod3) です。
もし x と y の両方が3で割り切れなければ、x6≡1,y4≡1となるので
x6+y4≡2(mod3)
一方、右辺 9z2 は3の倍数であるため、
9z2≡0(mod3)
よって合同式は成立せず、少なくとも x と y のいずれも、もしくは両方とも3の倍数でなければならないことが分かります。
また、片方だけが3の倍数の場合も合同式は成立しないので、x と y は必ず3の倍数でなければなりません。
x と y が3の倍数であることから、
a,bを任意の正の整数として、x=3a,y=3bと置きます。
x6=(3a)6=36a6=729a6,y4=(3b)4=34b4=81b4
これを元の式に代入すると、
729a6+81b4=9z2
両辺を9で割ると、 81a6+9b4=z2(1)
式 (1) の右辺 z2 は左辺が9の倍数であることから、z も3の倍数と考えられます。
よって、cを任意の正の整数として、z=3c と置くと、z2=9c2 となります。
式 (1) に代入し、 81a6+9b4=9c2
両辺をさらに9で割ると、
9a6+b4=c2(2)
a≥1,b≥1より、c2≥10であることがわかります。cが整数になるように小さい平方数から試していきます。
[1]c2=16であるとき、
9a6+b4=16
a=1であるとき、b4=7となるので不適。
a>1では、b4<0となるので不適。
[2]c2=25であるとき、
9a6+b4=25
a=1であるとき、b4=16となるのでb=2。
したがって、求める N はz=3×5=15のときであるから、
N=9z2=9⋅152=9⋅225=2025
正の整数 N の最小値は 2025 である。
aが明らかに大きくなることに着目するのが重要ですね。昔に3を法とする整数問題があったような。
2. 補足
式 (2) c2=9a6+b4 の最も小さい正の整数解を求めるため、まず a=1 と置いて、代入して求めることもできます。すると、 c2=9⋅16+b4=9+b4. b の最小値は1ですが、
- b=1 のとき:c2=9+1=10 となり平方数ではありません。
- b=2 のとき:c2=9+16=25 となり、これは平方数で c=5 です。
したがって、
a=1,b=2,c=5.
置換 x=3a,y=3b,z=3c より、
x=3,y=6,z=15.
3. 関連
任意の正の整数 k について、k が3で割り切れないとき、フェルマーの小定理から
k2≡1(mod3)
が成り立つことがわかります。
4. プログラムから見た問題
4.1. 方針
- 小さな x,y の組み合わせについて、 x6+y4 を計算する。
- それが 9で割り切れる(すなわち、N=x6+y4 が9の倍数)なら、 z2=9x6+y4 を求め、これが平方数(=整数の2乗)なら、候補として採用。
- 候補の中から、最小の N=9z2 を選ぶ。
4.2. Python コード
4.3. 出力結果

4.4. 2025以外の解の候補
