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更新:2025/04/03

LaTeXの矢印コマンド一覧!使い方と活用例をわかりやすく紹介

LaTeX(TeX)で数学の証明や図示をするとき、矢印は必須の記号のひとつです。矢印を上手に使いこなすと、論理の流れや写像関係などを分かりやすく表現できます。この記事では、LaTeXで使用できる代表的な矢印コマンドと、その応用方法をご紹介します。

はるか
はるか
矢印、数式でよく使う。証明とか。
ふゅか
ふゅか
うんうん!特に関係性をはっきり見せたいときに便利よね。LaTeXならいろんな種類の矢印が使える!

1. 基本の矢印コマンド

LaTeXでは、数式モード(インライン数式: \( ... \)$ ... $、ディスプレイ数式: \[ ... \])で矢印コマンドを入力するのが一般的です。まずは、よく使う基本的なコマンドを見ていきましょう。

  • 右向き矢印:コマンド:\rightarrow表示例:\(\rightarrow\)
  • 左向き矢印:コマンド:\leftarrow表示例:\(\leftarrow\)
  • 二重線の右向き矢印:コマンド:\Rightarrow表示例:\(\Rightarrow\)
  • 二重線の左向き矢印:コマンド:\Leftarrow表示例:\(\Leftarrow\)
  • 左右両向き矢印:コマンド:\leftrightarrow表示例:\(\leftrightarrow\)
  • 左右両向き二重線矢印:コマンド:\Leftrightarrow表示例:\(\Leftrightarrow\)
  • 長い右向き矢印:コマンド:\longrightarrow表示例:\(\longrightarrow\)
  • 長い左向き矢印:コマンド:\longleftarrow表示例:\(\longleftarrow\)
  • 長い二重線の右向き矢印:コマンド:\Longrightarrow表示例:\(\Longrightarrow\)
  • 長い二重線の左向き矢印:コマンド:\Longleftarrow表示例:\(\Longleftarrow\)
ふゅか
ふゅか
\Rightarrow\rightarrowって何が違うの?
はるか
はるか
線が二重。\Rightarrowの方が強調される。

2. map矢印・フック矢印

数学の写像などを表すときに便利なのが map矢印フック矢印 です。特に、写像を定義するときには \mapsto を使うのが定番です。

  • 対象を写像する矢印:コマンド:\mapsto表示例:\(\mapsto\)
  • フック矢印(右からフックがかかった形):コマンド:\hookrightarrow表示例:\(\hookrightarrow\)
  • 左向きのフック矢印:コマンド:\hookleftarrow表示例:\(\hookleftarrow\)

典型的な利用例として、写像 \( f: X \to Y \) を明示的に表現する際に、下記のように書きます。

\( f: X \mapsto Y \)

3. 文字をのせる矢印(\xrightarrow と \xleftarrow)

amsmath パッケージを読み込むと、矢印の上や下に文字をのせるコマンドが使えます。主に \xrightarrow\xleftarrow が有名です。

  1. プリアンブル(\documentclassの後ろ付近)に以下を追加:
    \usepackage{amsmath}
  2. 実際の使用例:
    \[
      A \xrightarrow{\text{写像}} B
    \]

    \[
      A \xleftarrow{\text{帰納}} B
    \]
    

こうすることで、矢印の上に簡単なラベルを付けることができます。証明途中の「帰納」や「写像」など、論理の流れをわかりやすく示したいときに便利です。

4. テキスト中で矢印を使うには

LaTeXのテキストモード(本文を書く通常の部分)では、標準フォントに矢印の文字が含まれていないことが多いため、数式モードを使って矢印を表示するのが手軽です。本文中に矢印を入れたいときは、インライン数式 \( ... \) あるいは $ ... $ を使いましょう。

これは $\rightarrow$ で結ばれます。

パッケージによっては直接矢印が使える場合もありますが、数式モードなら確実に正しい形の矢印が表示できます。

5. その他の矢印コマンド

LaTeXにはまだまだいろいろな矢印記号が用意されています。amssymbstmaryrd などのパッケージを読み込むと、さらに多彩な矢印が使えるようになります。たとえば、

  • 二重の右向き矢印: \rightrightarrows → \(\rightrightarrows\)
  • 二重の左向き矢印: \leftleftarrows → \(\leftleftarrows\)
  • 両向き矢印の組み合わせ: \leftrightarrows → \(\leftrightarrows\)
  • くねった右向き矢印: \rightsquigarrow → \(\rightsquigarrow\)