更新:2024/09/03

論理和標準形と論理積標準形の定義・性質・例題について

はるか
はるか
論理積標準形、論理和標準形って何。
ふゅか
ふゅか
とある形をした論理式の一つだね!

1. 論理和標準形とは

論理和標準形は、論理式を「論理積の論理和」の形で表したものです。具体的には、いくつかの「リテラル(変数やその否定)」の論理積をとり、それらの論理積の論理和をとった形式です。

\[ (\text{リテラル}_1 \land \text{リテラル}_2 \land \ldots) \lor (\text{リテラル}_3 \land \text{リテラル}_4 \land \ldots) \lor \ldots \]

論理和標準形は選言標準形とも呼ばれます。

1.1. 論理和標準形の例

\[ (A \land B) \lor (\neg C \land D) \] これは論理和標準形の一例です。各括弧内の式が論理積で、それらの論理積を論理和で結んでいます。

はるか
はるか
なるほど。$\lor$で結ばれるのか!

2. 論理積標準形とは

論理積標準形は、論理式を「論理和の論理積」の形で表したものです。具体的には、いくつかの「リテラル(変数やその否定)」の論理和をとり、それらの論理和の論理積をとった形式です。

\[ (\text{リテラル}_1 \lor \text{リテラル}_2 \lor \ldots) \land (\text{リテラル}_3 \lor \text{リテラル}_4 \lor \ldots) \land \ldots \]

論理積標準形は連言標準形とも呼ばれます。

2.1. 論理積標準形の例

次は論理積標準形の一例です。各括弧内の式が論理和で、それらの論理和を論理積で結んでいます。

\[ (A \lor \neg B) \land (C \lor D) \]

3. 標準形に変換する例題

ふゅか
ふゅか
論理式を論理和標準形か論理積標準形に変換してみよう!

3.1. 例題1

次の論理式を論理和標準形か論理積標準形に変換しなさい。\[ (A \rightarrow B) \land (C \lor \neg D) \]

含意の変換を行う。

\[ (A \rightarrow B) \equiv (\neg A \lor B) \] したがって、元の式は以下のように変換されます。\[ (\neg A \lor B) \land (C \lor \neg D) \]

3.2. 例題2

次の論理式を論理和標準形か論理積標準形に変換しなさい。\[A \rightarrow (B \lor C)\]

\[A \rightarrow (B \lor C)\]

\[\equiv \neg A \lor (B \lor C) \]

\[\equiv \neg A \lor B \lor C \]

よって、論理和標準形を求めることができました。

3.3. 例題3

次の論理式を論理和標準形か論理積標準形に変換しなさい。\[(A \land B) \rightarrow (C \lor D)\]

含意の規則の変換を行います。

\[ (A \land B) \rightarrow (C \lor D) \equiv \neg (A \land B) \lor (C \lor D) \]

\(\neg (A \land B)\) はド・モルガンの法則を使って分解できます。

\[ \equiv (\neg A \lor \neg B) \lor (C \lor D) \]

さらに、論理和を整理すると、次の形になります。

\[ \equiv (\neg A \lor \neg B \lor C \lor D) \]

3.4. 例題4

次の論理式を論理和標準形か論理積標準形に変換しなさい。\[\neg(A \rightarrow B) \rightarrow C\]

\[ \neg(A \rightarrow B) \rightarrow C \]

\[ \equiv \neg(\neg A \lor B) \rightarrow C \]

\[ \equiv (A \land \neg B) \rightarrow C \]

\[ \equiv \neg (A \land \neg B) \lor C \]

\[ \equiv (\neg A \lor B) \lor C \]

\[ \equiv \neg A \lor B \lor C \]

論理和標準形、論理積標準形となります。

3.5. 例題5

次の論理式を論理和標準形か論理積標準形に変換しなさい。\[(A \rightarrow \neg B) \land (C \rightarrow D)\]

\[ (A \rightarrow \neg B) \land (C \rightarrow D)\]

\[ \equiv (\neg A \lor \neg B) \land (C \rightarrow D) \]

\[ \equiv (\neg A \lor \neg B) \land (\neg C \lor D) \]

この論理式は論理積標準形に変換されました。