更新:2024/10/14

【面積比】重心が三角形の面積を1:1:1に分けることの証明について

はるか
はるか
重心。中線が3本交わる点のこと。
ふゅか
ふゅか
そうそう!三角形の各頂点から対辺の中点に引いた線、あれが重心を決めるんだよね。

1. 重心とは

まず、重心について復習しましょう。三角形の重心は、3本の中線が交わる一点です。中線とは、三角形の各頂点からその対辺の中点に引かれた線のことです。この3本の中線は必ず一点で交わり、その交点が重心となります。

2. 重心が面積をどう分けるのか?

重心と頂点ABCで作る三角形は、三角形ABCを3つに分割します。このとき、以下の特徴があります。

3つの三角形の面積は全て等しい
ふゅか
ふゅか
その3つの三角形、面積が全部同じになるんだよね!だから1:1:1の比になるんだ。

3. なぜ面積比が1:1:1になるのか?

3.1. 図形の性質を利用した証明

三角形ABCの面積をS、重心をGとする。また、線分 AG AG を延長して、辺 BC BC と交わる点を D D とします。

三角形 ABD ABD の面積は点 D D が辺 BC BC の中点であることから

S三角形ABD=12SS_{\text{三角形ABD}}=\frac{1}{2}S

次に、線分 AD AD を重心 G G 2:1 2:1 に内分しているため、三角形 ABG ABG の面積は三角形 ABD ABD の面積の 23 \frac{2}{3} となります。

S三角形ABG=23S三角形ABD=23×12S=13S\begin{align*} S_{\text{三角形ABG}} &= \frac{2}{3}S_{\text{三角形ABD}} \\ &= \frac{2}{3} \times \frac{1}{2}S \\ &= \frac{1}{3}S \end{align*}

同様に、三角形 ACG ACG 、三角形 BCG BCG の面積も同じように計算でき、三角形の面積比が次のように求まります。

S三角形ACG:S三角形BCG:S三角形ABG=13S:13S:13S=1:1:1 S_{\text{三角形ACG}} : S_{\text{三角形BCG}} : S_{\text{三角形ABG}} =\frac{1}{3}S: \frac{1}{3}S :\frac{1}{3}S = 1:1:1

3.2. 座標を利用した証明

ふゅか
ふゅか
原点を重心にして計算するのがポイントだね♪

重心 G G を原点とする三角形を考えます。

この三角形の頂点を A(ax,ay) A(a_x, a_y) , B(bx,by) B(b_x, b_y) , C(cx,cy) C(c_x, c_y) とします。重心 G G が原点にあるため、重心の座標を (0,0)(0, 0) として計算を進めます。サラスの公式より、三角形 ABG ABG と三角形 ACG ACG の面積は

S三角形ABG=12axbyaybxS_{\text{三角形ABG}}=\frac{1}{2}|a_xb_y-a_yb_x|

S三角形ACG=12axcyaycxS_{\text{三角形ACG}}=\frac{1}{2}|a_xc_y-a_yc_x|

重心の座標は(ax+bx+cx3,ay+by+cy3)(\frac{a_x+b_x+c_x}{3},\frac{a_y+b_y+c_y}{3})であり、原点であることから

(ax+bx+cx3,ay+by+cy3)=(0,0)\left(\frac{a_x+b_x+c_x}{3},\frac{a_y+b_y+c_y}{3}\right)=(0,0)

この式から、頂点 B B の座標 bx b_x by b_y を次のように求めることができます。

bx=axcx,by=aycy b_x = -a_x – c_x, \quad b_y = -a_y – c_y

ここで、三三角形 ABG ABG の面積式にこの bx b_x by b_y の値を代入して、計算すると

S三角形ABG=12ax(aycy)ay(axcx)=12axayaxcy+ayax+aycx=12axcy+aycx=12axcyaycx=S三角形ACG \begin{align*} S_{\text{三角形ABG}} &= \frac{1}{2} |a_x(-a_y – c_y) – a_y(-a_x – c_x)| \\ &= \frac{1}{2} | -a_x a_y – a_x c_y + a_y a_x + a_y c_x | \\ &= \frac{1}{2} | -a_x c_y + a_y c_x | \\ &= \frac{1}{2} | a_x c_y – a_y c_x | \\ &=S_{\text{三角形ACG}} \end{align*}

三角形 ABG ABG の面積と ACG ACG の面積が等しいことがわかります。これを同様に計算してくことで、

S三角形AGC=S三角形ACG=S三角形ABGS_{\text{三角形AGC}}=S_{\text{三角形ACG}} =S_{\text{三角形ABG}}

したがって、三角形 ABG ABG ACG ACG AGC AGC の面積比は次のようになります。

S三角形AGC:S三角形ACG:S三角形ABG=1:1:1 S_{\text{三角形AGC}} : S_{\text{三角形ACG}} : S_{\text{三角形ABG}} =1:1:1

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