度数分布表とヒストグラムの意味と例題について



1. 度数分布表とは
度数分布表は、データを整理して理解しやすくするために用いられる表の一つです。特に、数多くのデータが存在する場合、それらをいくつかの範囲(階級)に分け、その範囲に含まれるデータの個数(度数)を記録します。この表を使うことで、データの分布の様子を視覚的に把握しやすくなります。
1.1. 度数分布表の例
例えば、テストの点数を10点刻みで分類して度数分布表を作成する場合、以下のようになります。
階級 | 度数 | 相対度数 | 累積相対度数 |
---|---|---|---|
90-100 | 3 | 0.12 | 0.12 |
80-89 | 8 | 0.32 | 0.44 |
70-79 | 10 | 0.40 | 0.84 |
60-69 | 3 | 0.12 | 0.96 |
50-59 | 1 | 0.04 | 1.00 |
このように、度数分布表を使うことで、どの階級にデータが集中しているのか、またデータの全体的な傾向がわかりやすくなります。
1.2. 度数分布表の用語のまとめ
階級・・・観測データを整理するために、範囲をいくつかの区間に分けたもの。各区間は「階級」と呼ばれ、データがどの範囲に属するかを確認するために使用します。英語だとClass (or Class Interval)。
階級幅・・・階級の幅のこと。各階級がカバーする範囲の差を表します。英語だと、Class Width。
度数・・・各階級に属するデータの個数を表します。度数分布表では、各階級にどれだけのデータが含まれているかが明示されます。英語だとFrequency。
相対度数・・・全体のデータ数に対して、各階級の度数が占める割合を示すもの。英語だとRelative Frequency。
累積相対度数・・・各階級までの相対度数を累積したもの。英語だとCumulative Relative Frequency。
\[ \text{相対度数} = \frac{\text{度数}}{\text{全体のデータ数}} \]

2. ヒストグラムとは
ヒストグラムは、度数分布表に基づいてデータの分布を視覚化したグラフです。具体的には、各階級の範囲を横軸に、度数を縦軸に取り、度数に応じた高さの棒(棒グラフ)を描きます。これにより、データの分布や傾向を視覚的に理解することができます。


2.1. ヒストグラムの作成手順
- データをいくつかの階級に分けます。
- 各階級に含まれるデータの個数(度数)を数えます。
- 横軸に階級、縦軸に度数を設定し、棒グラフを描きます。
2.2. ヒストグラムの例
3. 例題
\[ 72, 85, 78, 92, 88, 65, 70, 81, 77, 96, 54, 68, 74, 62, 89, 93, 84, 91, 67, 75 \]
階級幅を10点として、度数分布表を作成してください。
その後、このデータをもとにヒストグラムを描いてください。


度数分布表
階級 | 度数 | 相対度数 | 累積相対度数 |
---|---|---|---|
50-59 | 1 | 0.05 | 0.05 |
60-69 | 3 | 0.15 | 0.20 |
70-79 | 6 | 0.30 | 0.50 |
80-89 | 5 | 0.25 | 0.75 |
90-100 | 5 | 0.25 | 1.00 |
度数分布表をもとにヒストグラムを描きます。