更新:2024/11/24

二乗の差と不等式の証明の意味と例題について

はるか
はるか
二乗差を使うと、不等式の証明が楽になる場合がある。
ふゅか
ふゅか
ルートや絶対値を含む不等式を解くとき、二乗するとスッキリして証明しやすくなるんだよね♪

1. 二乗を利用した不等式の証明

不等式を証明する際、二乗を利用すると証明が簡潔になり、見通しが良くなる場合があります。特に、ルートや絶対値が含まれている不等式では、二乗を活用することで計算が楽になります。

A0A \geqq 0B0B \geqq 0 という条件下で、次のような不等式があるとします。

ABA\geqq B

この不等式が成り立つことを証明するために、次の式を考えます。

A2B2 A^2 – B^2

この式の結果が 0 以上である場合、ABA \geqq B が成り立ちます。

1.1. なぜこの方法が成り立つのか

まず、AABB は 0以上の値であることを仮定します。この条件がかなり重要です。次に、不等式 ABA \geqq B を平方を使った式に変換します。具体的には、以下のように書き直します。

A2B2 A^2 – B^2

もし、この計算結果が

A2B20 A^2 – B^2 \geq 0

であるとき、この不等式を差の形に因数分解すると

A2B2=(A+B)(AB)0 A^2 – B^2 = (A + B)(A – B)\geqq 0

AABB はともに 0 以上であると仮定しているため、A+B0A + B \geqq 0 が成り立ちます。

したがって、積の形の不等式の不等号から、AB0A – B \geqq 0が成り立ちます。結果として ABA \geq B となります。

はるか
はるか
因数分解の積の形から不等号がわかる。

2. 不等式の証明の例題

2.1. 例題1:ルートを含む不等式

x,yx,yは正の実数であるとすとき、次の不等式を証明しなさい。

x+y>x+y\sqrt{x}+\sqrt{y} > \sqrt{x+y}

二乗の差を計算すると

(x+y)2(x+y)2=x+y+2xy(x+y)=2xy>0\begin{align*} (\sqrt{x} + \sqrt{y})^2 – (\sqrt{x + y})^2 &= x + y + 2\sqrt{xy} – (x + y) \\ &= 2\sqrt{xy} \\ &> 0 \end{align*}

x+y\sqrt{x}+\sqrt{y}x+y\sqrt{x+y}も正の実数であるので、

x+y>x+y \sqrt{x} + \sqrt{y} > \sqrt{x + y}

が成り立つことが証明されました。

2.2. 例題2:絶対値を含む不等式

x,yx,yは正の実数であるとすとき、次の不等式を証明しなさい。

x+y>x2+y|x|+\sqrt{y} > \sqrt{x^2+y}

二乗の差を計算すると

(x+y)2(x2+y)2=x2+2xy+yx2y=2xy>0\begin{align*} \left( |x| + \sqrt{y} \right)^2-\left( \sqrt{x^2 + y} \right)^2 \\ &= x^2 + 2|x|\sqrt{y} + y- x^2 – y \\ &=2|x|\sqrt{y}> 0 \\ \end{align*}

x+y|x|+\sqrt{y}x2+y \sqrt{x^2+y}は正の実数であるので、

x+y>x2+y |x| + \sqrt{y} > \sqrt{x^2 + y}

はるか
はるか
この不等式、例題1のxxx2x^2にしただけだな。

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